医師の長時間労働は規制されるべきか?①

「100日チャレンジ」用のお題を募集しています。

コメントありがとうございます。こちらのお題は、また明日以降ぜひ書きたいと思います!

今日は、医師の長時間労働についてです。

というのも、最近こんな署名活動をSNS上で見かけるようになりました。

内容を要約すると以下です。

  • 「地域医療を支える医師や研修医などの、時間外労働時間の上限が1860時間まで許容可」
  • これは平日に5時間残業し、土日も5時間は勤務することと同等
  • 月あたりの勤務時間は約200時間(残業+155時間)
  • このような労働環境下では、医師の健康は保たれ得るのだろうか?また、医療サービスを受ける患者の安全は守られるのだろうか?

という内容です。

当然ながら、時間外労働時間の上限を1860時間に定めることはまったく論外ですが、この医師の長時間労働の問題には実に多くの要因が絡み合っています。

せっかくなので、いくつかの問題について簡単にご紹介したいと思います。

1. 医師の権限の問題

よく言われるものとしては、医師の権限の問題があります。法的に医師にしかできない仕事とは別にローカルルールや慣習上医師にしかできない仕事があり、結果的に、医師の仕事量が増えるというものです。

例えば、僕の勤務先では、「男性の尿カテ留置」を医師が行わなくてはならないという謎のルールがあります。
そして、なぜか、オペ看は実施可という、ダブルスタンダード状態でもあり、無意味なルールだとよく話題に上ります。

しかし、羨ましい話ですが、”進んだ”病院では、このような謎のルールに縛られることなく、むしろ、医師の仕事をコメディカルや事務スタッフができるような仕組みがつくられています。

例えば、僕の勤務先では、退院サマリ作成や外来カルテ入力を医師が行い、担当医と指導医とで何往復も修正のやりとりを行い、完成させる様がよく見られます。
一方、理想的な施設では、退院サマリは、ほぼ医療クラークが作成し、軽微な修正をあとで担当医が行い作成完了としていました。また、外来診療においては、医師は診察や問診に時間を注ぎ、入力やオーダーなどは事務スタッフが行っていました。

これは医師に限らず、看護師や薬剤師でも同様だと思いますが、「それぞれの専門職こそができること」にfocusしていないことが非常に大きな問題だと思います。

施設によっては、診療看護師といって、ほぼ医師と同等の仕事が可能な(単純化してますが制約は当然あります)看護師が常勤している施設もあります。
僕自身も、診療看護師がいるチームといないチームとで働いたことがありますが、明らかに前者は働きやすかったです。

自分がやらなくてもいい仕事はどんどん周りに任せて「チーム全体でいい仕事ができるように努める」、そのような働き方/考え方が多くの医療機関/医療従事者に必要です。

残念ながら、この問題を解決することを邪魔しているのは法律でも制度でもなく、慣習やプライドではないかと推測します。個人的にはこの問題は解決可能な問題だと思っており、時間外労働をいかに増やすかよりも、専門職の仕事量をいかに減らすかに着目することが大事だと考えます。

医師の長時間労働は規制されるべきか?② につづく。